令和元年、アラサー世代は転職のラストチャンスな理由【実体験】

この記事は、「新卒で入社した会社で、愚痴を言いながらイヤイヤ働いているアラサー会社員」に向けて書いています。私自身の転職活動経験も踏まえて、転職についてとりあえずでも調べてもらえると幸いです。


私は2010年に就活した。この年はリーマンショック直後で、求人が極端に少ないひどい年だった。人気企業は募集人数を極端に減らし、そもそもその年だけ募集がない会社もあった。その結果、妥協した会社に就職した友人も多い。

このような「就活時期に不景気で採用募集が少ない」というのは、もはや世代間格差といっていい。アラサー世代(28-33歳くらい)は、世代間格差をモロに食らっている。しかしその格差は、「転職」で挽回することができる。まさに令和元年の今が、アラサー世代の転職の(ほぼ)ラストチャンスだ。その理由を記事にする。

「超」具体的な実績がある

新卒での就活では、学業・アルバイト・リーダー経験などを武器に面接に挑む場合がほとんどだ。しかし会社に入ってみると、その実績はビジネス的には取るに足らないことがわかるだろう。新卒面接は「実績」よりも「人柄」「態度」「運」「学歴」「見た目」の要素が強かった、と思う。ところが、中途採用は全く異なり「実績」が大きく評価される。会社で中堅に片足を突っ込んだ人なら、なにか仕事の実績があるはず。その「超具体的な実績」は、会社に利益をもたらしていて、社会に通用しているはずだ。求人する側にとって、応募者に「アサインしたい仕事と近い実績」があったら、即採用したくなるだろう。

新卒面接で「学生時代頑張ったことは?」と質問しても、その人が会社業務に向いているかなんてわからない。それよりも、中途面接で「どんな実績をあげましたか?」という質問のほうが、今募集している業務内容と一致しているかを一発で見抜ける。そして、アラサー世代は、その質問に余裕で答えられるだけの経験を積んでいるはずだ。

「何事もプロレベルになるには1万時間が必要」という1万時間の法則というのがある。入社8年目の場合、年間245日×8時間×8年=15,680時間働いているので、1万時間は優に超えている。同じ会社で8年間給与をもらっているのだから、プロレベルだというのはある意味当然で、この世代をこえると、みな「会社員のプロ」なのだ。

就職面接を一度経験している

学生時代は、会社員を経験していないので、会社がどんな人材がほしいのかわからないし、面接で何を見られるのかわからない。そのため面接でテクニックに走るとか、企業研究ばかりするとか、「本質的ではない」面接対策をすることもある。しかし社会人になって数年、会社はどんな人を欲しがるか、わかってきている。それを踏まえた上で、数年ぶりに「面接対策」をしてみると、意外とスムーズにできる。新卒採用の第1志望の面接が人生初面接になってしまい大失敗した、という人もいただろうが、そんな人でも大失敗は防げる。

さらに、数年前のエントリーシートを見返して、当時やりたかった仕事を思い出しつつ、では今何がしたいのかを自問自答する、というのも新鮮な経験だし、その結果自分がやりたいことに再チャレンジができるかもしれない。

スキルがあるように「見せる」ことができる

それでも、「自社でしか生きていけない」「他社にスキルが通用するか不安だ」という理由で転職をためらう人もいる。

実は中途面接で、面接官は「スキル」の判断はできない。あなたが面接官だとして、せいぜい30分程度の面接だけで、技術力を見抜けるだろうか?他にも経歴・業務内容・応募理由・退職理由・採用条件の話もしなければならないのに?当然、スキルの話題にはなるが、工夫したエピソードを2つ用意しておけばそれで十分だし、それだけで判断できるわけがない。(その分、とっておきのエピソードを用意したい。)

他にも「アピールするほどの実績がない」という悩みもある。実はそれも、「本当に会社に利益になったかどうか」は重要ではない。自分のせいでプロジェクトが炎上したかもしれないし、デスマーチが発生したかもしれない。しかし面接のプロではない面接官(部長や本部長とか)が、短時間でその過去を深掘りするのは難しい。そういった仕事の結果を悲観的・自虐的に見るのではなく、自分が具体的に何をしてどういう成果を出したか、そしてそれが募集要項と一致していること、のほうが重要だと思う。

28-33歳という絶妙な年齢

アラサー会社員なら、ベテランのはずの「仕事をしないおじさん」にプロジェクトを任せない理由がわかるだろう。年齢が高くなるにつれて、以下の傾向があるからだ。

  • 新しい技術についていけない
  • 体力がない
  • 出世の道が絶たれてモチベーションが上がらない
  • リスクをとらず現状維持をしたがる傾向にある
  • 管理職より年上の平社員を使いたがらない

「若さ」というのは、それだけで重要な資産だ。しかも新人と違って経験があるので、新人教育にコストを掛ける必要もない。

また、技術系だと、募集要項の必須経験として「〇〇の業務経験3年以上」という記載がある。年数は本質的ではないので、実際は少し短くても応募するだけなら問題ないが、募集したい人を絞るために年数をわざわざ定義しているのだと思う。アラサー世代なら、この年数もクリアできる可能性が高い。

巷では35歳以降の転職は難しいと言われる。実際確率が0%にはならないと思うが、ハードルは上がるはずだ。35歳となると、グループリーダーまたは課長クラスの経験が求められる求人ばかりになるといわれているため、マネジメント経験がないと話にならない。

これも求人を出す側の気持ちで考えると当然なのだが、担当者クラスで40歳の人と25歳の人が中途採用に応募したら、だれもが25歳の人を選ぶ。年齢で判断するのは差別だという意見もあるが、企業が利益を上げるためには仕方がない。(外国では履歴書に年齢を書かないという声もあるが、実際に面接したときに年齢で落とすことは当然あるはずだ。)

求人倍率爆上げ

2009年の求人倍率は0.47倍で、1人の求人に対して求職者が2人という計算だ。しかし2019年7月の求人倍率は1.59倍まで回復している。つまり1人の求職者に対して1.59人分の求人があるということで、企業は人を欲しがっている状況だ。求人が少ないときに行う就職活動よりも、求人が多いときに行う就職活動のほうが明らかに有利だ。

新卒での就活のときは皆、求人票をたくさん見ていたが、就職後に中途採用の求人を見たことはあるだろうか?私は転職活動中に、思いがけない求人がたくさんありとても驚いた。まずはあこがれの会社のサイトを見てみよう。人手不足の今、中途採用募集要項があるかもしれない。

景気後退の不安

大きな景気悪化は10年ごとに訪れる、と噂される。実際、1987年のブラックマンデー、1997年のアジア通貨危機、2007年のサブプライム問題と、おおよそ10年間隔で景気は悪くなる。景気悪化が起これば、当然コスト削減のため求人はガクッと減る。そうなってしまうとしばらくは転職しにくくなってしまい、次の景気回復の頃にはアラフォーになっていしまっているかもしれない。幸運なことに、2019年現在で大きな景気悪化は起きていない。10年周期説が杞憂だったとしても、景気が良い「今」がチャンスだ。

まとめ

ここまで、アラサー世代が転職のラストチャンスで、転職するのに十分な能力があることを書いてきた。最後に、この記事を読んだ方に体験してほしい、転職活動で私が驚いたことを書く。

  • 転職サイトを見て「こんなに求人あるの!?」「こんな会社も中途募集しとる!」
  • 転職サイト登録時に「自分、こんなにスキル身につけてたんだな」「このスキル、意外と人気あるな」「実は自分の市場価値高くね?」「他の会社だと通用しない、とか嘘だな」
  • 新卒面接と違って「ボランティア経験」とか「自分をモノに例える」とか不要なの、最高!
  • 新卒面接時の履歴書を見て「自分はこんなことをやりたかったんだな」

これらの驚きの発見は、転職活動を始めなければ見つからなかったことだし、この発見をするだけでも、今後の人生の生き方を考え直すことができる。それが、転職活動を始める意味になる。私は幸運にも転職に成功し、今の会社で充実した生活を送っているが、もし失敗していたとしても、後悔はしなかっただろう。それだけ、「転職活動をしてみる」ことには大きな意味がある、と思う。まずは、憧れの会社の中途採用を調べること、転職サイトを眺めることから始めてみてはいかがだろうか。

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