ダヴィンチ nano w 3Dプリンタのレビュー

3Dプリンター「ダヴィンチnano w」の開封から印刷までのレビューです。とても安いので、3Dプリンター初心者は導入しやすい機種です。

ダヴィンチnanoとは?

ダヴィンチnanoは、XYZPrinting社製の初心者向け3Dプリンターです。定価は29,800円(2019/3/10時点)と記事執筆時点では3Dプリンタとしてはかなり安いです。最大12cm×12cm×12cmのサイズのものが印刷できます。

開封

大きなダンボールで届きました。Wi-Fiモデルを注文していたので、WiFiボックスが別箱で届きました。

ダヴィンチnano w

第一印象は「まあまあサイズ大きいなあ」です。電源を試しに入れてみたら、ロゴが光ってかっこいいです。我が家では、机の下に配置することにしました。

ダヴィンチnano w

付属品は以下です。印刷にあたり必要なものは全て揃っています。

  • 材料となるフィラメント
  • 印刷したものを土台からはがすためのヘラ(スクレーバー)
  • 土台に貼るシート3枚
  • フィラメントの詰まりを取るための金具
  • 電源アダプタ
  • USBケーブル
  • クイックガイド、説明書…クイックガイドの日本語は一部てにをはが怪しい箇所もありますが、問題なく読めました。
ダヴィンチnano w
付属品

付属していたフィラメントは、青色でした。なお、必ず青が付属するというわけではなさそうです。このフィラメントはPLAという素材で、3Dプリントにはよく用いられます。

ダヴィンチnano w
付属していたフィラメント

内部の写真です。真ん中の黒いプリントモジュールでフィラメントを溶かして出力していきます。プリントモジュールは前後左右に縦横無尽に動いて、1段ずつ積層していきます。

ダヴィンチnano w

事前準備

印刷前の事前準備は以下です。

  • 本体のセッティング…梱包材を外す、ガイドチューブ装着、ケーブルの接続など。クイックガイドの通りやれば問題ありません。
  • PCへのソフトウェアのインストール
  • キャリブレーション…台がノズルに対して水平になっているか自動で確認してくれます。ずれの値が表示されたら、台の高さを手動で調整します。
  • フィラメントのロード…フィラメントをプリンタのノズルまで送り出し、フィラメントが溶けてノズルから出てくることを確認します。

苦戦したのはフィラメントのロードです。ダヴィンチnanoを操作するためのXYZprintというソフト上でフィラメントのロードを開始しても、ローラーが回るモーター音はするけどフィラメントがノズルの先から10分経っても出てこない、という症状が起こりました。原因はフィラメントがノズル部分で引っかかっていたことでした。フィラメントは丸いリールに巻かれているために「巻きグセ」がついていて、ノズルに対してまっすぐに刺さらなかったために、いくらフィラメントを送り出そうとしてもノズル直前で引っかかってしまっていたようです。

ダヴィンチnano w

結局、フィラメントをアンロードして、巻きグセまっすぐに直してロードする、というのを数回繰り返してようやくノズルの先から溶けたフィラメントが出てきました。なんとかフィラメントのロード成功です。

印刷

印刷に移ります。まずは3Dデータをダウンロードして、XYZprintというソフトに取り込みます。3Dデータは、XYZprinting社のサイトからも無料でダウンロードできます。このサイトの3Dモデルは数が豊富ですので眺めるだけでも面白いです。

https://3d-gallery.xyzprinting.com/ja-JP/promotion

今回はこのロボットを印刷することにしました。

https://3d-gallery.xyzprinting.com/ja-JP/model-detail/201505269470667

データは.stlという形式です。3Dデータがソフトに取り込めました。

ダヴィンチnano w

ソフト上で拡大/縮小、サポート材の追加、印刷スピードなど設定できますが、今回は50%の縮小だけを行い、それ以外の設定は初期設定のまま、印刷を開始しました。推定印刷時間は20分と表示されました。

映像の通り、ファンが回る音とモーターが動く音はなかなか大きいです。蓋がついているとはいえ、穴だらけなので、遮音性は期待できません。3Dプリンタと同じ部屋で寝るのはうるさくて難しいですが、テレビの音が聞こえなくなるほどではありません。

また臭いはあまり気になりません。PLAではなくABSという樹脂を使う場合は臭いが気になるという記事を読んだことがありますが、ダヴィンチnanoはPLAのみ対応しているので、臭いの問題は気にしなくて良さそうです。

実際に手際よく印刷されているのを見ていると、ノズルが器用に動いているのを長時間眺めてしまうこともあります。

20分後、印刷が完了しました。

ダヴィンチnano w

印刷物は土台(プラットフォーム)にくっついているので、ヘラではがします。すると驚いたことに、腕や頭や足が可動することに気が付きました!!パーツを組み合わせなくても、一度の印刷だけでこのような可動域を作ることができるのですね。

ダヴィンチnano w

写真のように、層になっているラインが見えたり、印刷した痕跡が見られます。触った感触は、普通のプラスチックと大差ありません。

映像や写真をよく見ると、左足からひょろっとフィラメントが出てしまっています、これは、印刷の一番最初の層で、フィラメントが土台にうまく乗らなかった(土台に固定されず、ノズルの動きに引きずられてしまった)ために起こります。これを防ぐには、土台にのりを塗る・温かい部屋で印刷する・土台に貼るシートの素材を変える・キャリブレーションを行う といった対策が考えられます。こういった試行錯誤をすることで印刷品質を上げる、というのも3Dプリンタの醍醐味だと思います。

まとめ

ダヴィンチnanoは、3万円で好きなものが印刷できるという楽しみが手に入るので、趣味への投資としては十分安いと思います。好きなもののデータをダウンロードしてすぐ入手できる…という体験は、昔思い描いていた未来そのもので、とてもわくわくできます。正直言って、3Dプリンタで簡単に作れる道具は、100均で買うほうが時間も手間も品質も有利です。しかし、3Dプリンタを買う大きなメリットは、「自分の手で物をつくって生活に役立てる」「工夫してものづくりをする」という体験です。3DプリンタはこういったDo It Yourself精神と強く結びついています。3Dプリンタから広がる世界をぜひ体感してみてください。

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